2009年6月8日月曜日

金属探知機の自作、失敗

【失敗記事です】

うまく行くと思っていたんだけど〜・・。
やっぱやってみるとうまくいかないもんだな。

金属探知機って色々自作している人がいるけど。
みんなと同じのだとちょっとつまんないので・・
  • 極力シンプルな物を作ろう
  • 距離を検出
  • 省電力電池駆動
  • 小型(50mm*50mm以内)
を目標にしてみた。
みごと撃沈。


●原理

  1. L2を基準にL1を金属検出コイルとする。
  2. 金属が近づくとインダクタンスに差が出る
  3. コイルは急な変化を押さえて波形を滑らかにする働きがあるので・・・
  4. 金属近づく=インダクタンスの差=波形滑らかさの差=歪みの差
  5. V1から矩形パルスを加えて、立ち上がり波形歪みの差を
    コンパレータU1で検出する。
という方法。
歪みが飽和時間の差になって現れるから、コンパレータ出力High時間に差が出ると思うんだ。
アナログ回路にしては珍しく、僕の完全オリジナル回路。


シミュレータで実験検証。
L1を80μ。H L2を100μH。にした時の波形立ち上がり歪みの差。
ここまで差があればコンパレータでも容易に歪みの差を検出できる。




●で、失敗の原因は・・飽和時間の差
コイル作って検出コイルに金属近づけても、0.8μHくらいしかインダクタンスが変化しない。
この差なら「金属が近いかON/OFF判定」はできるんだけど・・距離がうまく検出できない!!

予想では距離に応じてコンパレータの出力High時間が伸び縮みすると思ったんだけど。
実際は、飽和するまでの時間はあまり差が無い。
むしろ波形歪みに差が出るだけだった。
なので、距離が検出できなかった。

回路作る事無くシミュレータ上で失敗と判断。




●解決方法は?歪みを使用すべし
一般的な高感度金属探知機は、
  1. 1.コイルの発振を使って2つの周波数を作る。
  2. 2.片方のコイルを検出コイルにする
  3. 3.片方のコイル発振周波数が微妙に変化する
  4. 4.微妙な変化波形を合成。うなりが発生する
     参考→Report2[うなり]
  5. 5.うなりを検出
というのが一般的。
インダクタンスの変化によって波形歪みに差が出やすいなら
うなりを使った方がずっと効率的なんだね。
僕は今回波形飽和までの時間を計測したけど、うまくいかないのも納得


●考察
先人の作ってきた物にはそれなりの意味があるってこと。大事だね。
マイコンを使うとシンプルに色々なセンサーができるんだけど
今回ばかりは無理だった。
今後「うなり方式」を作るのも手なんだけど、シンプルではなくなるし。
車輪の再発明は個人的にあまり好きではないので。
開発中止。


副産物。
けっこう正確な100μHの空芯コイルができました。
使い道無いなぁw




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